知財・契約
技術連携の知財・NDA入門|最初の面談前に決めること
共同開発で守るべき既存技術、開示範囲、成果知財、公表、秘密情報を、初回面談からPoCまでの順に整理します。9分で読む

相手を知るために技術を話したい。しかし話し過ぎると、自社のノウハウを失うかもしれない。この矛盾は、最初から全部を秘密にするのではなく、段階ごとに開示範囲を設計して解きます。
NDAは署名すれば安全になる魔法ではありません。秘密情報の定義、目的、扱う人、保管、期間、例外が実際の情報交換に合っているかを確認します。重要案件は弁護士・弁理士など専門家へ相談してください。
初回面談は非機密情報で相互価値を確認する
最初は、顧客課題、求める機能、公開済み実績、制約の概要だけで話します。製造条件、配合、図面、顧客名など、競争力の核になる情報は、必要性と相手の体制を確認してから開示します。
| 段階 | 共有する情報 | まだ共有しない情報 |
|---|---|---|
| 候補確認 | 公開情報、課題の概要、期待機能 | 配合、図面、顧客固有情報 |
| NDA後 | 評価条件、限定した技術資料、試料情報 | 不要な全社ノウハウ |
| PoC契約後 | 実験に必要な条件、測定データ | PoC外の案件・第三者情報 |
| 共同開発 | 合意した範囲の設計・工程情報 | 契約目的外での利用 |
既存知財と新しく生まれる成果を分ける
連携前から各社が持つ技術はバックグラウンドIP、共同開発で生まれる成果はフォアグラウンドIPとして整理します。誰が発明したか、誰が出願するか、実施できる範囲、費用負担、第三者への許諾、公表の条件を検討します。
共同名義にすれば公平とは限りません。製造だけ、販売だけ、特定市場だけなど、事業上必要な利用権を具体化する方が重要です。大学との連携では論文発表も重要なため、出願と公表の順序を早期に確認します。
特許検索は『侵害なし』の証明ではない
公開特許の検索は、先行技術や競合の方向を知る手掛かりになります。ただし検索漏れ、未公開出願、請求項の解釈があり、簡易検索だけで実施自由を断定できません。事業化判断では必要に応じて専門家の調査へ進みます。
技結(WAZAYUI)の候補探索でも、特許情報は候補の技術テーマを理解する根拠の1つです。量産性、品質、経営健全性を特許件数だけで評価しません。