PoC設計
共同開発のPoC設計|90日で可能性を確かめる実践テンプレート
大きな開発契約の前に、最も重要な不確実性を90日で確かめるPoCの目的、評価指標、役割、撤退条件を整理します。8分で読む

PoCは小さな製品開発ではありません。事業を止めている最も大きな不確実性を、少ない資源で判定する実験です。完成度を競うと、期間も費用も膨らみ、結論が曖昧になります。
90日という期限は絶対値ではありませんが、仮説、試験、判定を1つの経営判断へ結び付ける目安になります。できたものではなく、何が分かったかを成果にします。
PoCの前に1文で書くこと
『A社の表面処理を自社部品へ適用すると、指定環境で耐久性が基準を満たすか』のように、組合せ、評価条件、判定対象を1文にします。売れるか、作れるか、法規に通るかを同時に検証しようとしません。
| 期間 | 主な活動 | 残す証拠 |
|---|---|---|
| 0〜30日 | 仮説、試料、測定法、役割の合意 | 計画書、既存データ、合否基準 |
| 31〜60日 | 試作、測定、失敗原因の切り分け | 条件別データ、変更履歴、観察記録 |
| 61〜90日 | 再現確認、事業条件の確認、判定 | 評価結果、未解決事項、次段階の見積り |
成功条件と撤退条件を同時に決める
成功だけを定義すると、結果が悪い時に評価条件を後から変えてしまいます。性能が基準未達、必要コストが上限超過、再現性が出ない、規制対応が困難など、停止または再設計へ移る条件を事前に置きます。
失敗したPoCも価値があります。成立しない条件と理由が分かれば、大きな投資を避けられます。相手企業の評価ではなく、今回の仮説の評価として記録することが、次の関係を守ります。
役割と引き渡しを具体化する
誰が試料を準備し、誰が測定し、データを誰が保管し、いつ意思決定するかを決めます。成果物は試作品だけでなく、条件表、測定データ、評価方法、未確認事項を含めます。次工程がそのまま判断に使える形が良い引き渡しです。
PoCで配分する注意(例)
技術成立性
狙う機能が条件下で再現するか
測定の信頼性
比較可能な方法で判定できるか
量産への距離
工程・品質・供給の課題は何か
顧客価値
改善が支払意思へつながるか